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これは一人の少女の物語だったのか。それとも四十万三代の物語だったのか。

■花咲くいろは
最終話 「花咲くいつか」

喜翆荘を続けていくにはいくつかの選択肢がありました。
たとえば女将さんが翻意してもうしばらく続ける。
たとえば皐月が戻ってきて後を継ぐ。
あるいは心を入れ替えた縁と崇子さんを皆が支える。
大穴で緒花に跡を任せるとか(笑
でもどれもピンとこなかったんですよね。どの選択肢にしても、誰かの想いを犠牲にしたり、台無しにしたり、多くの不安を残したりで、エンディングとしてはふさわしくない。

そして提示された最終回の結末。
なるほど、いざ示されてみればこれしかなかったと思われる最終回でした。
女将さんの言うしがらみを断ち切るべきというのはいかにも正しい。しかしそこでみんなが三々五々散っていくのではなく、希望をもってそれぞれの道に進んでいく。


本当は皐月が喜翆荘を継ぐのがベストだったのでしょう。
しかしその選択肢は、この物語が始まるはるか以前、緒花が生まれる前に既に消え去っていた。

こう言っては語弊がありますが、女将さんは跡継ぎを育てることには失敗したのだと思います。少なくとも子供の世代  皐月や縁に関しては。
皐月には多くを期待して厳しく接しすぎて、家を出て行かれてしまった。縁には期待しなかったために、自覚も育たないままいたずらに歳を重ねてしまった。
もちろん皐月との溝は、年月と孫の緒花が埋めてくれました。しかしそれは和解ということであって、過去がなかったことになるわけではありません。皐月にはもう自分の人生があるのです。いまさら喜翆荘には戻れない。

しかし、祖母と孫としてではなく、女将と従業員としてスタートした緒花との関係が、最後には「四十万スイになりたい」とまで言わしめるほど強固な師弟関係に育ったのは不思議なものです。彼女は純然たる尊敬と、親愛の両方を勝ち得ることができた。そして、残りの人生を余韻として過ごすのではなく、現役として生きる希望さえ受け取った。


アニメとしてはおよそ異色の作品だった、というのが今の感想です。むしろこれは実写ドラマ向きじゃないかと。しかしこれをアニメという美しい媒体で見せてくれたことに感謝しています。最後の緒花と女将さんの別れのシーンは、アニメーションとしても絵としても美しすぎて、何度見てもため息が出ます。
ありがとうございました。
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