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試され続ける愛のかたち

花守の竜の叙情詩2 (富士見ファンタジア文庫)花守の竜の叙情詩2 (富士見ファンタジア文庫)
(2009/12/19)
淡路 帆希

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   信じてほしいの。たとえ私に何が起きても、この気持ちは変わらないということを。

書店の店頭で見つけて呆然としました。
まさかあんな美しい悲恋で終わった物語の続きが出るなんて。
テオバルトは人の姿を捨てて月神の使いとなり、アマポーラは精神的な未亡人となって幼い娘と共に生きることとなった。市井の暮らしを知らないアマポーラが苦労することは目に見えていましたが、それでも彼女は強く生きていってくれるでしょう。それ以上何を求めるのか、と。
あとがきを見る限り、淡路先生も当初は前巻限りのお話と考えていたようです。それが続きを切望する読者の声もあって続編の発行となったのだとか。
結果的にそれは正解だったと思います。期待に答えてくれるよいお話でした。次が最終巻となるそうですが、今から楽しみです。

アマポーラの市井での暮らしは思ったよりも難航していましたね。本来農村に生きるものが子供のときから身につけてきた術を何一つ知らない彼女。努力はしていてもそう簡単に溝を埋めることはできません。役立たずの烙印を押されて肩身の狭い思いをします。救いは愛しい娘・エレンと優しい老夫婦の存在だけ。
そんな彼女にようやく陽が射しかけたのが市場で何気なく歌った歌が認められたことですが、それが彼女を囚われの身とするのですから皮肉なものです。彼女が農村でひっそり暮らしていくなんてどだい無理な願いだったんでしょうか。

一方のテオバルトは銀竜として存在し続ける危機に晒されています。
前巻の時点では遠い存在でしかなかった月神ですが、この世界の成り立ちが説明されてやや身近に感じられるようになりましたね。しかし、長い歴史の中で銀竜となりえたのがたった三人だったとは。。しかし考えようによっては銀竜の目的の根源が目の前に現れたわけですから、この物語のひとつの解決の道が見えてきました。
あと、ロゼリーがここで絡んできたのは意外でした。よく前巻から繋がってるなぁ……。そりゃ恨みも深いわけです。あの狂気じみた愛の裏返しの憎悪が二人に向けられるのかぁ。そしてガエタノまで悪魔の手に。ホント、この話は愛と憎しみに満ちている。

アマポーラの唇がテオバルトの目の前で奪われんとしていたのを間一髪で止めたのには、思わず喝采を送りました。あそこで奪われていたほうが物語の悲劇性は高まったでしょうけれど、個人的にそんな所業には我慢がならなかったので(笑

予想外のどんでん返しは今回もありましたね。まさか王の正体が。。
まるで人が変わったように思慮深い良い王だとは思っていましたけれど。
ずっと心にわだかまっていた感情が、事実の反転によって解きほぐされるというのはTONO先生の『カルバニア物語』でも良く見られる手法ですが、私は大好きです。

そしてラストの展開はどこまでも王道に。
やばい。わかっていても泣ける。
忘却は死よりも残酷だ。
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