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銅貨の謎

ほとんどTさんへの私信みたいなものですが。
『狼と香辛料』の8、9巻を読み直してみました。
私はあの手の謎解きは流し読みしてなんとなくわかった気になってそれで満足な人間なので、今回自戒を込めて考察しましたよっ。

初めて読んだときは、銅貨の詰め替えのからくりによってジーン商会が毎回2箱分の利益をどこかからあげているものなのかな、なんて思っていましたが、どうやら違うようです。

まず取引における銅貨の流れはこうですね。
20090430a.jpg
わかりやすいように、1箱に銅貨100枚が基準とします。
また、流通にかかる費用などはこの際関係ないので除外します。
そして大前提ですが、ジーン商会とデバウ商会は結託した同一の組織とみなしてよいです。

まずデバウ商会が本来60箱に詰めるはずの銅貨を58箱に凝縮してジーン商会へ送る。
ジーン商会はそれを川下で本来の60箱に詰めなおしてウィンフィール王国に送る。
銅貨は見た目の箱数が変わっただけで実際の枚数は注文通りですから、ウィンフィール王国に対しては正常な取引が行われたことになります。この時点での不正な利益は、川を下る際の2箱分の関税逃れだけです。
9巻の中盤までロレンスたちが想像していたのはここまでです。だから「セコいことやってんなぁ」くらいにしか思っていません。

しかし本番はここからです。
20090430b.jpg
ウィンフィール王国はジーン商会に60箱分の代金を支払います。本来ならその代金を出荷元であるデバウ商会がそのまま受け取るはずですが、デバウ商会は58箱しか出荷していないことになっています。だから58箱分の代金しか受け取りません。60-58=2。毎回2箱分の代金がジーン商会の手元に残ることになります。

これは実際にはどういうことかというと下図のようになります。
20090430c.jpg
結局は銅貨2箱分のお金がデバウ商会からジーン商会に移動したということです。
私はてっきりジーン商会が不正によって儲けた、という話だと思っていたのですがそうではなく、同一の組織間(デバウ商会とジーン商会)で誰にも気づかれないように資金が移動された。それが銅貨の謎のメインだったようです。
それもただ移動しただけではありません。ジーン商会の手元に残った2箱分の代金はジーン商会の利益として記載されていません。裏金になったのです。いわゆる資金隠しですね。


そもそもの話をたどると、ジーン商会はデバウ商会からの命令で聖遺物(巨大な狼の骨)を探していました。いざ見つけたそれを買い取るには膨大な資金が必要です。高額な取引は信用取引が主流ですから、取引の主導権を握ろうとするとき現金ほど強力な武器はありません。そこで、上の手段をつかって裏金として貯めておけば、いざモノが見つかったとき、たとえば代わりにイッカクが見つかったときに、周囲を出し抜いてそれを買い取ることができるのです。

もちろん不正もしています。ジーン商会は関税逃れを、デバウ商会はなぜか毎回2箱分の損失がでているからそのぶん税金をごまかしてます。そしてこの両者は結託して資金を隠しました。あえてどこが損をしたかという話をするなら、それはジーン商会&デバウ商会のあるプロアニア領のお役所が損をしているのですね。だからそれをロレンスたちに告発されると困るのです。


とりあえず私はこんなふうに理解しました、ということで。
『狼と香辛料』は難しいなぁ。実はシリーズ序盤の銀貨鋳造の話も私はよく理解してません(笑
そのうち読み直してみようっと。

▼拍手お返事
>アルックスさま
ご案内のメールを4/29に差し上げました。もし届いていないようでしたら、お手数ですが再度ご連絡ください。

>4/29 18:35の方
ありがとうございます。唯は可愛いのに気取らないところがいいですよね。安いでかいパンにかぶりついてる絵なんて大好きです(笑
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コメント

図解解説!

すばらしい図解付き解説です。
この図をよく見て、お勉強会いたします。

No title

ここまで図解が有るとわかりやすいですねー。

銀貨鋳造の方は、もう少しわかり易いと思いますよー←でも期待はしてます(笑)

No title

>たかむねさん
次にお会いしたときには銀貨鋳造のからくりについて教えてくださいね。

>双葉葵さま
銀貨鋳造はたしか一巻だと思ったのですが、その一巻が見当たりません(笑
どこに隠れたかな………。
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