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15才が「今日できなかったこと」を悔やむ必要なんかどこにもない。大事なのはこれから先何ができるようになるか、だ

放課後ウインド・オーケストラ 3 (3) (ジャンプコミックス)放課後ウインド・オーケストラ 3 (3) (ジャンプコミックス)
(2009/04/03)
宇佐 悠一郎

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店頭で見かけた表紙に一目惚れ。中身を読んで恋に落ちました。
こんなに「うわぁ、この人の絵柄を真似したい!」って思ったのはすんぢ先生以来かもしれない。
顔の描き方なんてやや古風な部類に入るんですけど、繊細な線がそれを感じさせません。影の部分にトーンをほとんど使わず黒で仕上げ、結果とてもすっきりした絵柄になっています。

物語は高校の吹奏楽部を舞台とした青春ものです。まるきり初心者の主人公が憧れの女の子のために、廃部になっていた吹奏楽部を復活させてそのまま部長におさまってしまうのですが、別に主人公に隠された才能なんてありません。最初は音を出すだけで一苦労。その後もライバルポジションキャラや周囲の手助けも受けながら、順序を踏んで徐々に上達していく様はまさに等身大の部活ストーリー。
でもこれは主人公が奏者として成長していく話ではありません。あくまでテーマは「部活動」。だから楽器の練習に励む一方で、部長としてみんなのために奔走する。

そして主人公に劣らぬ存在感をもって物語を形作る部員たち。
真剣に楽器を愛する者。勢いとノリで入部した者。なんとなく始めた者。先輩への憧れが原動力となっている者。情熱ではなく愛着をもって音楽に接する者。人と競うコンクールという場に価値を見出せない者。
部員それぞれがドラマをもつ群像劇でもあります。
そして経験者も初心者も、楽器や部員との関わりを通して吹奏楽部員となっていく。寄せ集めだった部活動が徐々にまとまっていく。この「放課後ウインド・オーケストラ」の真の主人公は千代谷高校吹奏楽部そのものなのかもしれません。

2巻のコンクールの件もそうですが、3巻で登場した吹奏楽の名門・賢洋高校との比較によって、この物語のテーマが明確になってきましたね。
実力差の明らかな名門校の厳しくレベルの高い練習スタイルには正直腰が引けるけど、だからといって楽しく部活動できればそれでいいなんて逃げ口上を肯定はしない。目指すのはその先にあるもの。部が一体となるほどの結束、部員全員で同じイメージを共有できるほどの結束を手に入れ、みんなでひとつの音楽を作り上げる達成感。高みを目指す道はひとつではない。3巻の時点で見えたテーマはそんなところでしょうか。
主人公は名門校に劣等感を抱いていますが、私はこう思うのですよ。主人公に賢洋の部長は絶対務まらないだろうけど、賢洋の部長・桑野にも千代谷の部長は務まらないだろうな、と。主人公が荒地を耕して種をまいているとすれば、桑野は温室の管理を任されて薔薇の世話をしてるようなものなのですから。
同じコンクールの舞台に立てばその賢洋にはかなわないかもしれません。でも主人公たちが自ら目指す場所に上り詰めたなら、たとえコンクールで敗れようと、後に残るのは敗北感ではなく充実感に違いありません。
気にかかるのは3巻のラスト、名門校の演奏を聞いた彼らがどう変化するのか、です。

登場人物も魅力的です。
唯はサバサバした性格がいいですね。こんな子が友達にいたらさぞ楽しいことでしょう。日向とうまくいくといいな。
桜井は頑張り屋さん。チューバが好きなのがすごく伝わってきます。ものすごく肺活量要りそうな楽器なのにあんな小柄な子が大丈夫なのかな。
小宮山先輩は年齢のわりに物事が良く見えてる人なのですが、アドバイザーにしかなれない消極性が可愛い。でも1巻で、みんなが月川の演奏と部活動認定に盛り上がる中、縁の下の力持ちに徹した主人公の地味な働きを一人評価した場面は感嘆しました。高校生であんなところが見えるなんてすごいことですよ。
梓先輩も素敵です。クールでストレートな物言いをする反面、とても面倒見がいい。矢澤とはくっつかないまま女王と下僕のような関係を続けて欲しいです(笑
賢洋の佐藤先輩はいいキャラですね。一見堅い人物ですが、彼女は音楽や人の見方をわかってますよね。桑野は彼女がサポートしてくれてることに感謝するべきでしょう。桑野自身は才能があるけど人間として色々足りてないですから。

本編も面白いけど、巻末の書き下ろしオマケマンガもいいですね。登場人物の多いマンガなので、本編では描ききれないキャラの性格をフォローしてくれてます。3巻の書き下ろしは面白かった。視線だけでパンの袋を切ってしまう佐藤先輩ステキ。


こちらから「放課後ウインド・オーケストラ」の試し読みができます。


▼どうでもいい追記
音楽をできる人って憧れますねー。
私はてんでダメな人ですから。
小中学校時代楽譜すらまともに読めませんでした。
高校時代にバンドのメンバーが足りないからという理由で無理やりベースをやらされましたが、どこを押さえればどの音がでるのかもさっぱりわからなくて、教えられた番号を丸暗記したとおりに弾くのが精一杯でした。
教育実習時代にピアノの特訓を受けましたが、卒業したらさっぱり忘れてしまいましたね。
唯一まともにできたのは小学校時代に習った小鼓くらいかな。手首の返しが良いと褒められました。
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コメント

No title

>唯一まともにできたのは小学校時代に習った小鼓くらいかな。
むむ、負けじと直径1.5mくらいの太鼓ならドンとこいですよ(・`ω´・)
春と秋の近所の神社の祭事でどんどんします。
鐘も一緒にカンカンします。
楽器を弾ける人は、なんかすごいなぁ(´・∀・`)

ウインド・オーケストラに惹かれて

ウインド・オーケストラ面白そうですね。
夏師さんの感想を読んで特にそう思いました。1-3巻買います!

ごきげんよう、先日はお世話になりましたTamaraです。
なにげに・・・以前からブログを読ませていただいてました。
こちらで取り上げられているアニメや漫画が、自分も好きなものだったりすると、嬉しかったりしてました(笑)。

(あ、もし東京Cityで手伝いが必要でしたら言ってくださいね~(笑)

No title

>ぽーさま
ああいう民間で受け継がれていく楽器も大事ですが、吹奏楽のような本格的な音楽はまた別ですよね。ちょっと憧れます。

>Tamaちゃんさま
ようこそー。
先日はおつかれさまでした。歌、お上手なんですねぇ。
放課後ウインド・オーケストラは「かごオケ」と略すそうです。できるだけ未読の方向けに日記を書いたので、これで興味を持っていただけたのなら何より嬉しいです。日記の最後に試し読みサイトへのリンクを追加しておきましたのでよろしければどうぞ。
東京Cityは……どうしようかなぁ(笑
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