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続 夏目友人帳 第十話 「仮家」

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レイコさんは貴志と違い、早々に「人間に見切りをつけてしまった」人なんですよね。
顔色をうかがいながら無難にやっていくことも、相手に期待することも諦めてしまった。
それが彼女の尋常ではない強さであり、哀しさでもあります。

幼き日の滋少年を「子供っておもしろいのもいるのね。まだ人間じゃないみたい」と評した彼女の心情を察するとつらくなります。人がみな彼女に抱く余計な視点を滋少年は持ち合わせていなかった。そのことがレイコさんにとってどれほど嬉しかったことでしょう。
けれどそこで彼女は滋少年に寄りかかることはしません。少年に過大な期待はしないし、自分と関わることで彼にふりかかる迷惑を気遣う。
少年を大切に思う一方で、やはり諦めてしまっているんですね。これが一時のものである、と。
「ありがとう、楽しかったわ」
力を見せた後は、一切の関わりを断つ。少年があの日のレイコの行いと、帰ってきた平穏とを結びつける前に。

ひょっとしたら、貴志が藤原夫妻や北本西村と出会ったように、レイコさんにも滋少年のような人たちとの出会いがあったのかもしれない。でも彼女はそんな人たちとの間に信頼を育む可能性さえ、自ら放棄してしまったのです。
それは生き方が間違ってるとか正しいとかじゃありません。そうすることで彼女は自分を守ろうとしたのでしょうから。


幼い日に見たのと同じ落書き。同じ怪現象。妻の不調の兆し。そして、あの日少女が引き起こしたのと同じ部屋の惨状。
ここまで材料がそろって全てを偶然で片付けるのは難しいでしょう。滋さんは尋常ではない気配を察したはずです。ひょっとしたら、必死にごまかそうとする貴志を前にして、真実に行き着いたのかもしれません。あの遠い日、なぜ彼女があんなことをしたのか、なぜ怪現象がやんだのか、なぜそれ以降自分を避けるようになったのか。
だとしたら貴志の嘘の向こうにあるのは、あの日彼女が滋を助けてくれたものと同じ優しさです。だからそれ以上、貴志を問い詰めることはしなかった。
もちろん妖だの呪いだの、そこまでわかったわけではないでしょう。ただ、自分の理解の及ばない世界があって、目の前の男の子はそこで生きている。そして再び自分に訪れようとしていた災厄から守ってくれたのだと、そんなところじゃないでしょうか。

前回の感想で、塔子さんは貴志から話してくれるのを待っている、と書きましたが、あれは撤回します。ただ見定めていたのかな。それ以上問うていいものなのか、を。
ブログを見て回っていると、「いつか貴志は夫妻に本当のことを話せる日が来ればいいですね」的な感想をよく見かけるのですが、私はそれがいいこととも、ひとつのゴールであるとも思えません。どれほど信じてくれたところで、夫妻には見えるわけでも、助けてやれるわけでもないのですから。
ただお互いが了解の上で一緒に暮らしていければそれでいいんじゃないでしょうか。
夫妻は、貴志が自分たちの知らない世界を生きていること、彼の理解不能な行動にも善意あることを信じる。そして貴志は、夫妻がそんな自分を信じ支えてくれることを、信じられたら、と。


今回はアニメーションの完成度が高かったですねー。動きが劇場版みたいでした。
あと、ところどころで絵柄が緑川先生に近かった気がします。雰囲気出てましたねー。クレジットを確認してませんが、EDと同じ人かな?

「…そうか、この家にはレイコも来たことがあったのか…」
こういった感傷を共有できる相手は貴重ですね。夏目が思わず撫でちゃう気持ちもよくわかります。ニャンコ先生ったらツンデレなんだから。

木の葉はどこか不自然に舞ってるようで   
不自然どころじゃないですよ(笑


Fate雑記さま、新刊告知の捕捉ありがとうございました。
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