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狼と香辛料 Ⅹ

狼と香辛料〈10〉 (電撃文庫)狼と香辛料〈10〉 (電撃文庫)
(2009/02)
支倉 凍砂

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ようやく読みました。
都内に遊びに行ったときに購入しようと思いつつも機会を逃し続け、結局地元の書店で。

いや、二巻のノーラ編以来のヒットでした。おもしろかった!
羊飼いがでてくると面白くなるジンクスでもあるんでしょうか。
ひょっとして私、羊飼い萌え?
そんな10巻に登場するのは老齢の羊飼い・ハスキンズ。

「神学者の方でしょうか」
ハスキンズの足音が聞こえなくなるや、コルがこっそりと尋ねてくる。
そう思うのも無理はない。
ロレンスだって、生きる道に迷ったら彼に教えを請いたいくらいだ。


野の賢人、といった雰囲気を漂わせるハスキンズですが、ノーラ編同様、彼がキーパーソンとなりましたね。
彼の意外な正体。意外な目的。そして彼によって変わった流れが彼によって締めくくられる。良い結末でした。

今回はハスキンズともう一人、ピアスキーという商人が登場しますが、この二人の目的は、この巻でひとつの話を形作りながらも、この「狼と香辛料」という作品のテーマそのものにも関わっていて実に見事な構成でした。

この小説は商人同士の駆け引きの妙が売りなわけですが、今回もどちらかといえばそちらがメインなわけですが、この10巻はなんといいますか、そこに留まらない味わいを見せてくれました。作品の毛色が変わったとでも言いましょうか。9巻までとは明らかに伝わってくる情感が違う気がします。前々から油断ならない文章を書く作家さんだとは思っていましたが、今回は実に私好み。
ちなみに私好みの文章というのは、読み終えたあとも印象に残るような一文をいくつも散りばめている、そんな小説を指します。

この小説は駆け引き以外にも楽しいところがあって、それは人とのコミュニケーションの成功であったり、仕事をやり遂げてそれが正当に報われることの喜びであったり。
たとえば今回名もない馬子(馬を引いて道案内する職業)がでてくるのですが、彼の仕事をロレンスが正しく評価する場面が私は好きでした。

すべてを降ろしてやってから、馬子に旅の成功を感謝した。
馬子は相変わらず無口で無愛想だったが、別れ際に胸の前で軽く両手を組んで頭を下げる。
信仰心の厚い北の民そのものだった。


視界さえ定かではない雪の中、ロレンスたちを無事送り届けた馬子が、正しく報われた場面です。ロレンスは彼を雇う立場であったわけですが、彼の仕事に敬意を払っているのですね。
そして帰り道の手配をするときも、やはりこの馬子を雇おうとします。

こういう、小さくも人間的な喜びが感じられるシーンが私は好きですね。
ライトノベルでそういうものを感じられることは稀です。つくづく特異な作品だなぁと思わざるをえません。


↓ここからマリみて話

臥せってる間は本を読むことくらいしかできないので、アニみて四期にあたる、「特別でないただの一日」あたりから原作をずっと読み返していました。
巷で「長すぎた」といわれる瞳子編。たしかに一冊一冊の刊行を待っていた時分には、正直いつまで引っ張るんだろう……と思っていたものですが、こうして一気に通して読んでみると案外そうでもなかったりします。このくらいの分量はあってしかるべきだったなー、なんて。
だって、チェリーブロッサム当時あんなに明るかった瞳子が、孤立し、屈折し、自暴自棄に囚われ、救われ、再生への道をたどるのですから。
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