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はたらく魔王さま! (8) (電撃文庫)

はたらく魔王さま! (8) (電撃文庫)はたらく魔王さま! (8) (電撃文庫)
(2013/04/10)
和ヶ原聡司

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アニメ終了から少しずつ読み進めて、現在8巻まできました。

カバーイラストを見て
「あれ、ひょっとして~5年後~とかなの? 5年も経ったら魔王さまとエミリア、籍を入れちゃうんじゃないの!?」
って期待したけど、そんなことは全然なくてふつうに続きからでした。いえほら、5年も経ったらアラス・ラムスを小学校に通わせる段になって戸籍とか両親が揃ってないととかさんざんもめた後にそういう可能性もあるんじゃないかとちょっとばかり妄想してしまって。

魔力さえ取り戻せばエミリアと双璧を為す………はずが、強さで天使に遅れをとり、エミリアにも差をつけられてBクラスに落ち込んでしまった魔王さまですが、アシエスの登場によって最強クラスに返り咲きましたね!
これでこそわれらが魔王さま!
とはいえこれが最終形態かはあやしいものがありますが。

少し前から気になっていましたけど、マレブランケは何を考えて天界やオルバと手を組んでるんでしょうね。彼らがどういうつもりでいるのかよくわかりません。魔族によるエンテ・イスラの統治とは程遠い結果にしかならないと思うんですけど。ファーファルレロを見てるとその程度もわからないほど脳筋集団とは思えませんし。
そもそもファーファルレロからの報告を受けたにもかかわらず、魔王の命を無視して天使に力を貸しているというのが解せません。そのわりに魔王を目の前にしたら恭順の意を示すなど、一貫性に欠ける。
おそらく彼らには彼らなりの狙いなり、仕方のない理由なりがあると思うんですけど、それを推し量るには材料が足りてません。

エミリアがどうしておとなしく囚われの身となっているのかも謎ですね。
あの種籾にはたしてどんな意味があるのでしょう。
あの麦が品種改良による革命的な収穫をもたらすとしても、そんなものがなければ飢えて死ぬほどエンテ・イスラの民が困窮しているようにも見えませんし。
エミリアを脅迫できるとしたら人命くらいですよね。ということは、あの種籾を所持していることが人質をとっていることの証、ということでしょうか。よくわかりません。

エメラダとアルバートはどうしてるんでしょうね。地球に連絡もできないということは、彼らも人質になってるのでしょうか。いくら人類最強の方術師と仙術士とはいえ、最盛期の魔王さまをもしのぐ天界の天使にでてこられては太刀打ちできないでしょうしね。
しかしせめてアルバートくらいはつかまらずに潜伏してくれてないと、エンテ・イスラに戻っても情報収集すら覚束ないような。
最悪のパターンとして、エメラダとアルバートも裏切っていたというのがありますが、それだけはないと思いたい。だって、オルバに裏切られただけでもそうとうなダメージだったはずなんです。
だからこそ、エメラダとアルバートの二人はエミリアにとってエンテ・イスラと自分をつなぐ最後の絆。その彼らにさえ裏切られてしまったら、と思うと胸が痛みます。

そしてなぜ魔王さまが隣室に踏み込んだ際の挿絵がなかったのか。。
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ソードアート・オンライン プログレッシブ1 (電撃文庫)

ソードアート・オンライン プログレッシブ1 (電撃文庫)ソードアート・オンライン プログレッシブ1 (電撃文庫)
(2012/10/10)
川原礫

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キリトとアスナの第一層での出会いって、アニメオリジナル設定から公式になりましたね。いえむしろこういう構想が元からあったとみるべきでしょうけれど。
私としては、ヒロインとの縁というのは鮮烈なものが序盤にあって、それが後々の再会で花開くというのが好きなので大歓迎でしたが………

第二層でさっそくいちゃついてるじゃん!

川原先生はできるだけ整合性をとるみたいなことをあとがきで仰ってましたが、これはもうひとつのSAOってことでいいんじゃないでしょうか。アインクラッドで生きる喜びは何も昼寝がきっかけでなくても、これから二人が一緒に見つけていけばいいことだし。むしろここでアスナがキリトを目標とした意味は大きいと思います。

黒猫団の悲劇はキリトが人恋しさから発生したものだから、この流れだと事件そのものがなくなってしまいそうだけど、私はそれでいいと思ってます。サチを二度も死なせなくても。むしろ黒猫団とは別のかかわり方をしてほしいな。キリトが孤独じゃなかったからこそ起こらなかった悲劇を読者に感じさせるだけでもSAOPの意味は大きいと思うので。

もっとも、この先アスナと決別してソロキリトくんになる展開もあるのかもしれませんけど、それはどんな事件でしょう。想像つかないな………。
この流れだとよっぽどのことがない限りキリトとアスナの決別はなさそうな気がします。血盟騎士団に入ったぐらいじゃ弱いでしょうね。団員のビーター嫌悪とかアスナなら眼力で黙らせそうだし。
そもそも、血盟騎士団入りって物語上の必須条件でしょうか?
騎士団入りしなくても大体の騎士団絡みエピソードは代替できそうな気がします。アスナの有名人化も二層ですでに進んでるし、クラディールみたいなのは別に騎士団に絡めなくてもやれるでしょう。無理があるのは団長とのデュエルくらい?

AW、本家SAOとの並行作業なので刊行は年一冊が限度ということですが、次巻を楽しみにしてます。
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略称はココロコ

ココロコネクト ヒトランダム (ファミ通文庫)ココロコネクト ヒトランダム (ファミ通文庫)
(2010/01/30)
庵田 定夏

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男二人女三人の仲の良い部活内で、ランダムに人格が入れ替わってしまうという異常事態。
誰と誰が入れ替わるかも、入れ替わるタイミングも元に戻るタイミングも、全部ランダム。
はじめのうちは人格の入れ替わりを周囲に気づかれないよう慌てたりで見た目にも楽しいのですが、徐々にひずみが大きくなっていきます。個々が抱えている秘密や人には知られたくない本心がさらけ出されていく。
そのたびに作品内の空気が重くなっていくのですが、それを明るく吹き飛ばしてくれる驚きの展開も待ち構えてたりするのがこの小説の魅力です。シリアスと笑いのバランスが絶妙すぎる!

『~ランダム』シリーズではこの第一巻がたぶん一番ライトで入りやすい内容でしたね。
イラストが白身魚さんで、メイン五人の内二人の名前が「姫子」と「唯」ですが、あまり深く考えてはいけません。

ココロコネクト キズランダム (ファミ通文庫)ココロコネクト キズランダム (ファミ通文庫)
(2010/05/29)
庵田 定夏

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シリーズ二冊目。
今度はランダムなタイミングで理性のたがが外れてしまうという《欲望開放》!
思ってはいても口に出さないこと、思いはしても実際にはやらないこと、が誰にでもあるでしょうけれど、そのストッパーが突然外れてしまうという現象に五人が見舞われます。
これは痛い。タイトル通り、仲の良かった五人が互いに傷つけ合う、崩壊の危機!
シリーズの中ではたぶんこれが一番読んでてつらくなります。でも最後の展開には思わず泣きました。つらさも半端じゃないぶん、最後に来るカタルシスも大きくて、私の一番お気に入りです。
この巻のヒロインは姫子。きっとみんなここで姫子に惚れるはず。

ココロコネクト カコランダム (ファミ通文庫)ココロコネクト カコランダム (ファミ通文庫)
(2010/09/30)
庵田 定夏

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異常事態はまだまだ続く。
今度は五人中四人がランダムな年齢に過去退行してしまう!
今は明るく楽しく過ごしてるメンバーだけど、過去に清算しないまま置き去りにされてきたものを抱えていた。それがこの《過去退行》で明らかになってしまう。
この巻のメインは唯と青木。

ココロコネクト ミチランダム (ファミ通文庫)ココロコネクト ミチランダム (ファミ通文庫)
(2011/01/29)
庵田 定夏

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どこまで続くんだこの異常事態。
今度は心がランダムで仲間に筒抜けになってしまう《感情伝導》。
二巻の《欲望開放》にやや似ているけれど、すでに強い絆で結びついている五人ならば乗り越えられるはず………だったのだけど、今まで強くしなやかでいてくれた部長の伊織が、ここでとうとう壊れてしまう。もう序盤から最悪の雰囲気。
伊織は他作品でたとえるならば『とらドラ!』の実乃梨に似ています。とにかく男の手ではどうしてあげることもできないタイプ。彼女のことをどんなに好きで守ってやりたいと思ってる男がいたとしても、愛だけでは彼女は救えない。たとえ彼の桂木桂馬でも無理!
一時は絶望的な状況に陥るも、主人公太一の起死回生の一撃がここで炸裂する!(笑

ココロコネクト クリップタイム (ファミ通文庫)ココロコネクト クリップタイム (ファミ通文庫)
(2011/05/30)
庵田 定夏

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短編集です。ここでは異常事態は起こらずに、各巻の幕間のようなエピソードが語られます。終始明るく楽しめる、読者にはご褒美のような一冊。
最後の一編では、様々な異常事態を乗り越えて結束した五人だけの部活に、とうとう新入生が!
そうなると心配なのは、これからも起こるであろう異常事態に新入生も巻き込んでしまうのではないかというその一点。事態が異常すぎて、とても事前には説明できない。何の覚悟もなしに入ってもらうには、自分たちの経験してきた事件は重過ぎる。それでもなお、彼らに「入ってほしい」と言えるのか   
いずれも魅力的な新入生が入ってきましたね。新シリーズが楽しみです。

ココロコネクト(1) (ファミ通クリアコミックス)ココロコネクト(1) (ファミ通クリアコミックス)
(2011/05/14)
CUTEG

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コミックス版も出てます。原作にすごく忠実で、キャラはめがっさ可愛い。
ファミ通コミッククリアでWeb連載されているので試し読みできます。(要IE)
わたしはここから入って原作を読み始めました。
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P.63のロレンスの顔がいやらしい

狼と香辛料〈16〉太陽の金貨〈下〉 (電撃文庫)狼と香辛料〈16〉太陽の金貨〈下〉 (電撃文庫)
(2011/02/10)
支倉 凍砂

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………なんだろう。
5年16冊もかけたシリーズが、折にふれ何度も読み返した愛着ある作品が終わったというのに、全く寂しさを感じません。不思議な感覚です。

およそ英雄譚に縁のない作品でしたが、傭兵団の追撃戦においてもそれは遺憾なく発揮されてましたね。まさかこんな場面でいかさま芝居を、それも両傭兵団が共謀で演じるなんて誰が予想したでしょう。
でも説明されてみればそれは至極当然の理で、小説の登場人物が物語上の役割を果たすために血を流すのとは違う、忠誠からではなく職業として剣をとった者たちの血肉の通った理屈がそこにありました。
こういった人間の裏側や内幕を物語として見せてくれるライトノベルは、たしかに「異色」と呼ばれて仕方ない。

シリーズの後半にかけて徐々に一目置かれる商人として成長してきたロレンスが、一転「所詮一介の行商人」として蚊帳の外に置かれる展開も意外でした。これが成長物語ならば、この最終巻においては大商人をもしのぐ活躍を見せて読者に爽快感を味わせてしかるべきところですが、『狼と香辛料』はそうはさせてくれない。ひたすらロレンスの無力感を描く。
そして誇りや使命感が導く危険ではなく、個人の幸福の追求を肯定する。
どこまでも王道の真逆をいく展開でした。

それでいて、最後に一介の行商人だからこそ到達できる発想で逆転ホームランを打たせてしまうんだからもう。。

繰り返しますが、不思議と寂しさは感じません。
常々旅の終わりについてはロレンスたちから語られてきており、その結論も既にでていたから、というのもあります。
ホロとの繋がりがもう揺るぎないものとなってるせいでもあります。
あとがきで夏にもう一冊出すよと言われたせいもあるかもしれません。

でもそれだけではなく、この恐ろしく地に足のついた作品において何度も示されてきた人の生き様というものが、ロレンスたちを物語のために用意された登場人物とは思わせてくれないからではないかと思います。
ハッピーエンドだけど、彼らの人生はこれからも続いていく。ロレンスとホロのそれからが見える気がして。
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新たな時代の到来

狼と香辛料XV 太陽の金貨<上> (電撃文庫)狼と香辛料XV 太陽の金貨<上> (電撃文庫)
(2010/09/10)
支倉 凍砂

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このシリーズでは一巻からずっと「古き神々の時代」が遠い過去であると描かれてきたわけですが、最終章にきてついに、「剣と盾の時代」の終わりの始まりとなりました。これからは経済が世界を動かしていく。
これはファンタジーではなく、我々の歴史上実際に起こった出来事です。

しかし、今回ほどロレンスと読者の視点が一致した巻があったでしょうか。
事前の予想を見事に覆されましたね。
デバウ商会には黒い噂がある。ロレンスたちが信頼する人々の情報網もそう示している。そもそもあのイッカクの件から印象が悪い。そして極めつけは、鉱山を求めて北の制圧に乗り出すのではないかという情報。

しかし客観的に見るならば、レスコの街は文句のつけようもないほどの理想郷であった。自由の名の下に発展が約束されたような。
そしてロレンスにとっても、全てを解決する未来が描ける街であった。ヨイツに近い、それはすなわち、ホロと別れることなく自分の店をもてるということ。それも素晴らしい発展の見込める、将来有望なこの街で。
この上ないハッピーエンドを目の前に差し出されたのです。

これが疑わずにいられようか(笑

絶対どこかに落とし穴がある。
悲しいかな、そう思いたくなるのが人の性というやつです。

しかしデバウ商会の目的は目先の鉱山などという小さいものではなかった。武力に拠らない、経済力による独立。おそらくレスコは、この先商業都市として発展し、自治権すら獲得するのかもしれません。いいえ、独自の通貨の発行こそがその証。名目など必要としない実質的な独立です。新たな時代が訪れたのです。
剣や魔法ではなく商人の目で描かれたファンタジー小説である『狼と香辛料』の結末として、これ以上相応しいものはないでしょう。それも、ロレンスとホロにこの上ないハッピーエンドの舞台を贈り物として。

しかしそれだけでは終わらせてくれないのですね。
最後に訪れた不吉な使者。コルに何が起こったのか。なぜこの者は「遍歴の修道女」ではなく「賢狼ホロ」と呼んだのか。そもそも誰なのか?
私にはさっぱり予想がつきません。


今回新登場のミューリ傭兵団ですが、これにも騙されましたね。
ディアナやハスキンズ、ユーグといった面々の登場で、すっかり麻痺していました。てっきりミューリも存命しているものだとばかり。羊たちが教えてくれてたはずだったのに。勇ましいものほど先に旅立つのだと。
しかし実際のミューリ傭兵団は実に気持ちのいい面々でしたね。ミューリ本人が故人となっていたことは残念でしたが、そこに受け継がれたものはしっかり確認できました。

"世の中にいくつもの物語の糸があるとすれば、ミューリ傭兵団にまつわるものの一つが、今ここで終わりを迎えたのだ"

これは泣かずにはいられない。
神から人へ託され、時を経て成就した伝言。厳粛な空気の中どうしようもなく漂う悲しみが伝わってきました。
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時に情理は打算をも飛び越える

狼と香辛料〈14〉 (電撃文庫)狼と香辛料〈14〉 (電撃文庫)
(2010/02/10)
支倉 凍砂

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読者の誰もが思いつつもあえて口にしなかった疑問が、他ならぬホロの口から飛び出しちゃいましたね。

それでは今日のお葉書、プロアニア国レノスにお住まいのホロさんからの質問です。
「わっちとロレンスはヨイツに着いたらそれっきりなのかや?」


それもそうですよねー。
ロレンスはこれを今生の別れと悲壮感漂わせてましたが、何もそれきりになるとは決まっていないのです。このまま行商人を続けるなら、一年ごとに巡りくる北の地で会うことだってできるでしょう。
あるいは、今現在のヨイツをその目で確かめて満足したならば、ホロがこのままロレンスと旅を続けたっていいのです。ヨイツにはもう村とも呼べぬ規模の集落があるばかり。生き残りのミューリだって傭兵団を率いてるからにはヨイツに定住などしていないでしょう。
そうそう、ロレンスの葛藤のひとつにミューリの存在がありますが、そのミューリがどのような人物かはいまだに謎。どうもホロの口調からはロレンスが的外れな嫉妬を抱いていそうな気配さえ見えます。

ここに、シリーズ幕引きの最大の山場が崩されてしまいました(笑
ただし別の展開が用意されてそうですね。
なにやらヨイツを含むトールキン地方が制圧の対象となっている様子。そこを守るためにホロの眷属が布陣したとなれば、ヨイツの自然を守るため、危機を回避するため、またロレンスが立ち回ることになりそうです。

ラストはいつにもまして砂吐きそうなラブラブ展開でしたが、顔を腫らしたあの様子では、ロレンスは本懐を遂げることができなかった………のかな?(笑
14巻目にしてようやく、と思ったのに。。

読者の心のオアシスであったコルは今回ややおとなしめ。エルサを導き手として、彼がロレンスたちから巣立つ日も遠くないようです。いよいよ物語が終盤に差し掛かったことを実感しますね。

舞台は再びレノス、ということで獣と魚の尻尾亭の看板娘が再登場しましたね。シリーズの中でも屈指の名脇役、私もお気に入りのキャラです。会話のひとつひとつが刺激的でおもしろい。この娘相手にうかつなことは言えないぞ、という緊張感が見所です。ホロと二人でロレンスをいたぶってる場面も見物でしたが、やはりロレンスと二人きりのときのほうが面白いかな。
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試され続ける愛のかたち

花守の竜の叙情詩2 (富士見ファンタジア文庫)花守の竜の叙情詩2 (富士見ファンタジア文庫)
(2009/12/19)
淡路 帆希

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   信じてほしいの。たとえ私に何が起きても、この気持ちは変わらないということを。

書店の店頭で見つけて呆然としました。
まさかあんな美しい悲恋で終わった物語の続きが出るなんて。
テオバルトは人の姿を捨てて月神の使いとなり、アマポーラは精神的な未亡人となって幼い娘と共に生きることとなった。市井の暮らしを知らないアマポーラが苦労することは目に見えていましたが、それでも彼女は強く生きていってくれるでしょう。それ以上何を求めるのか、と。
あとがきを見る限り、淡路先生も当初は前巻限りのお話と考えていたようです。それが続きを切望する読者の声もあって続編の発行となったのだとか。
結果的にそれは正解だったと思います。期待に答えてくれるよいお話でした。次が最終巻となるそうですが、今から楽しみです。

アマポーラの市井での暮らしは思ったよりも難航していましたね。本来農村に生きるものが子供のときから身につけてきた術を何一つ知らない彼女。努力はしていてもそう簡単に溝を埋めることはできません。役立たずの烙印を押されて肩身の狭い思いをします。救いは愛しい娘・エレンと優しい老夫婦の存在だけ。
そんな彼女にようやく陽が射しかけたのが市場で何気なく歌った歌が認められたことですが、それが彼女を囚われの身とするのですから皮肉なものです。彼女が農村でひっそり暮らしていくなんてどだい無理な願いだったんでしょうか。

一方のテオバルトは銀竜として存在し続ける危機に晒されています。
前巻の時点では遠い存在でしかなかった月神ですが、この世界の成り立ちが説明されてやや身近に感じられるようになりましたね。しかし、長い歴史の中で銀竜となりえたのがたった三人だったとは。。しかし考えようによっては銀竜の目的の根源が目の前に現れたわけですから、この物語のひとつの解決の道が見えてきました。
あと、ロゼリーがここで絡んできたのは意外でした。よく前巻から繋がってるなぁ……。そりゃ恨みも深いわけです。あの狂気じみた愛の裏返しの憎悪が二人に向けられるのかぁ。そしてガエタノまで悪魔の手に。ホント、この話は愛と憎しみに満ちている。

アマポーラの唇がテオバルトの目の前で奪われんとしていたのを間一髪で止めたのには、思わず喝采を送りました。あそこで奪われていたほうが物語の悲劇性は高まったでしょうけれど、個人的にそんな所業には我慢がならなかったので(笑

予想外のどんでん返しは今回もありましたね。まさか王の正体が。。
まるで人が変わったように思慮深い良い王だとは思っていましたけれど。
ずっと心にわだかまっていた感情が、事実の反転によって解きほぐされるというのはTONO先生の『カルバニア物語』でも良く見られる手法ですが、私は大好きです。

そしてラストの展開はどこまでも王道に。
やばい。わかっていても泣ける。
忘却は死よりも残酷だ。
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